「ヒラメの煮つけ」美味しいですよね。
身がフワッとして、皮の周りがトロっとして、骨についた身もこそぎ落として、最後の最後まで食べたくなる。
美味しいヒラメの煮つけを作るには、選び方から下処理、煮汁の配合まで、いくつかのポイントがありますが、家庭でも失敗なく美味しく仕上げるコツをまとめてみました。
美味しいヒラメの煮つけを作るコツ
新鮮で美味しいヒラメの選び方
ヒラメの煮つけを美味しく作るには、まず新鮮なヒラメを選ぶことが大切です。
新鮮なヒラメは、目が澄んでいて透明感があり、身にハリがあるものが理想。魚体にぬめりが多すぎるものや、身が柔らかく崩れやすいものは避けましょう。
切り身の場合は、ドリップが出ていないものを選ぶと臭みが少なく、煮つけにした時もふっくら仕上がります。シンプルな料理だからこそ、素材選びが美味しさを左右します。
ヒラメの煮つけ 切り身 or 姿煮
「ヒラメの煮つけ」は、切り身でも姿煮でも楽しめます。初めて作る方には扱いやすい切り身がおすすめ。火が均一に入りやすく、短時間でふっくら仕上がります。
一方、丸ごと煮る姿煮は見た目の豪華さが魅力で、ヒラメ本来の旨みを存分に味わえるのが特徴。特に天然ヒラメは骨の周りの旨みが強く、姿煮にぴったりです。ただし、サイズによっては鍋に入り切らない場合があるため、キッチンの道具に合わせて選ぶと失敗しません。
ヒラメの煮つけ 下処理はどうしたらいい?
ヒラメの煮つけを美味しく仕上げるには、下処理が重要です。
切り身の場合は、サッと塩を振って5〜10分置き、出てきた水分を拭き取ることで臭みが減ります。また、熱湯をかけて表面を“霜降り”にしてから氷水に落とすと、余分な脂や血が取れて上品な味に仕上がります。
姿煮の場合も同様に霜降り処理が効果的で、煮崩れもしにくくなります。少しの手間で仕上がりが格段に変わるため、下処理は省かず丁寧に行いましょう。
ヒラメの煮つけ 煮汁の黄金比は?
ヒラメの煮つけを失敗しないためには、煮汁の黄金比を覚えておくと便利です。基本は「酒:みりん:醤油:水(または出汁)=2:2:1:3」。甘さを控えめにしたい場合はみりんを少し減らして調整できます。
ヒラメは淡白なので、濃すぎる味付けにしないのがポイント。最初に煮汁を軽く煮立ててアルコールを飛ばし、そこにヒラメを入れて弱〜中火でじっくり煮含ませると、ふっくらとした上品な煮つけに仕上がります。
ヒラメの煮つけ めんつゆでも大丈夫?
「時間がないけどヒラメの煮つけを作りたい!」という時は、めんつゆを使うのもアリです。
めんつゆには出汁の旨みが含まれているため、味が決まりやすく、簡単に調理ができます。
めんつゆ:水=1:3
が基本ですが、みりんを少し加えると、照りや甘みが出て深い味わいになります。
ただし、めんつゆはメーカーによって塩分や甘さが異なるため、途中で味をみて、調整する必要がありそうです。めんつゆで煮汁を作る場合でも、濃すぎないのがポイントです。
冷凍切り身でヒラメの煮つけを美味しく作るコツは?
冷凍のヒラメでも、ちょっとした工夫で美味しい煮つけに仕上がります。まずは冷蔵庫でじっくりと解凍するのが基本です。調理する半日前位に冷蔵庫に入れるのがポイントです。
急速解凍をするとドリップが出やすくなります。ドリップが出ると、身がパサついたり、臭みが出るので要注意。どうしても急ぐ場合は、流水解凍がおすすめです。
解凍後は軽く塩を振り、出てきた水分を拭き取ることで臭みが軽減します。また、冷凍切り身は煮崩れしやすいため、火加減は弱めに。煮汁を先に煮立たせてから入れ、落とし蓋をすることでふっくら仕上がります。上手に扱えば冷凍でも十分美味しく作れます。
■ 冷蔵解凍(もっともおすすめの方法)
冷蔵庫でゆっくり戻すことでドリップが出にくく、身がふっくら仕上がります。味を重視するなら最もおすすめの方法です。
やり方
- 冷凍の切り身をパックのままお皿に置く
- 冷蔵庫で 6〜12時間 じっくり解凍する
- 出てきたドリップをペーパーで丁寧に拭き取る
- 軽く塩をふり、5分置いて再度水気を拭くと臭みが軽減
メリット
- 身が崩れにくい
- 旨みが逃げにくい
- 上品な仕上がりになる
デメリット
- 時間がかかる
■ 流水解凍(急いでいるときに便利)
短時間で解凍でき、常温解凍よりドリップが少ない方法です。すぐ調理したいときに役立ちます。
やり方
- 切り身を密閉袋(ジッパー袋)に入れる
- 冷たい水を張ったボウルに袋ごと入れる
- さらに冷水を細く流し続けるとスピーディー
- 15〜30分ほどで解凍可能
- 解凍後はペーパーで優しく水分を拭き取る
メリット
- 早く解凍できる
- 常温解凍より品質が落ちにくい
デメリット
- 冷蔵解凍よりはドリップが出やすい
- 必ず冷水で行う必要がある
アラ煮でも十分美味しい 天然ヒラメ
天然ヒラメは身だけでなく、アラにも旨みがぎっしり詰まっています。特に頭や骨まわりはゼラチン質が豊富で、煮つけにすると深みのある味わいに。アラならヒラメでも価格が手頃ですし、身はお刺身で食べて、残ったアラで、アラ汁やアラ煮にするのもいいでしょう。
下処理として霜降りをしっかり行うと、雑味が消えてより上品な仕上がりになります。姿煮よりも気軽に使え、煮汁にも旨みが広がるため、ヒラメの魅力を余すことなく楽しめる調理法です。
「ヒラメの煮つけ」は、一見むずかしそうに見えて、基本を押さえれば誰でも美味しく作れる料理です。新鮮なヒラメの選び方、丁寧な下処理、そしてシンプルな煮汁の配合さえ覚えれば、家庭でもプロのような味が再現できます。まずは安く手に入る冷凍切り身からチャレンジしてみては?

